ビジネスアジリティを向上するためにIT部門が取り組むべきこととは
市場やビジネス環境の変化が激しい現在、組織は変化に臨機応変に対応する必要性が高まっています。そこで重要になる考え方が「ビジネスアジリティ」です。ビジネスアジリティはIT分野でも注目されており、企業のIT部門はITツールの活用等を通じて組織のアジリティを高めることが求められています。本記事では、ビジネスアジリティが高い組織の特徴や、アジリティを向上するためにIT部門が取り組むべきことについて解説します。
- 目次
- お役立ち資料
- DX時代における
IT部門のあるべき姿とは
IT部門に求められるビジネスアジリティとは
ビジネスにおける「アジリティ(俊敏性)」とは、変化の激しい市場やビジネス環境に対し、組織が機敏に対応・適応することです。
現代はヒト、モノ、カネ、そして情報の流れがグローバルかつ高速で動くようになっており、それに伴って予想もつかないことが次々に起こることが当たり前の時代となっています。こうした特徴を持つことから、現代はVUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性の頭文字から取られた言葉)の時代とも呼ばれています。企業は絶え間ない変化にキャッチアップし続け、状況に合わせて常に組織を適応させていかなければなりません。そこで求められるのがビジネスアジリティです。
IT分野においては、アジリティは短いサイクルで開発を繰り返す「アジャイル開発」と同じ文脈で語られることがよくあります。しかし、アジャイル開発を取り入れるだけでは組織のアジリティは向上しません。アジャイル開発はソフトウェア開発において変化に素早く対応するための手法ですが、ビジネスアジリティを向上させるためには、組織文化の変革や適応的な戦略の策定、業務プロセスの見直しが必要となります。
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アジリティが高い組織の特徴
アジリティを高めるためにどうすれば良いのかを理解するためには、アジリティの高い組織の特徴を知る必要があります。ビジネス上のアジリティが高い組織の特徴は以下の5つが挙げられます。
明確なビジョンを持っている
組織全体として実現したいビジョンや目指すべき目標が定まっており、かつ社員間で共有できていれば、予期せぬ変化が起きてもゴールがブレることなく、ビジョンの実現に向けて何をすべきか各々が自律的に考え行動できます。
反対に、ビジョンが曖昧だと変化が生じた際に何を基準にして行動すべきか分からなくなり、結果として変化に対応できない組織になってしまいます。
リーダーシップを持つ社員が多い
リーダーシップを持っている社員が多ければ、予期せぬ変化が生じたときに最適な方法を自ら考えて実行できます。つまり、組織としての意思決定が速いということであり、変化に対し柔軟かつ迅速に対応することが可能です。
一方で、リーダーシップを持たない他人任せの社員が多いと、組織全体として指示待ちの状態になりやすく、変化に取り残されてしまう要因となります。
コミュニケーションが活発
ビジョンを共有し、意思決定から実行までを無駄なく迅速に行うためには、社員間、あるいは経営陣と各部門間の綿密なコミュニケーションが不可欠です。
普段から組織内のさまざまなレベルでコミュニケーションが活発で風通しの良い組織でなければ、スムーズにコンセンサスを得たうえで的確な対応をとることは難しいでしょう。
状況を判断する能力が高い
予期せぬ変化が起きたときには、状況を客観的に把握し分析したうえで判断を下すことが重要です。そのためには、普段から多くの社員がアンテナを張ってトレンドや市場環境の変化を敏感に読み取り、組織全体でこまめに情報を共有するカルチャーや体制を整える必要があります。
柔軟な発想力と対応力がある
変化が起きた際にそれによるリスクを想定し、柔軟に対処するための発想力や対応力も必要です。前例踏襲的な組織では社員が自ら考えようとする動機がないため、柔軟性は養われません。ゼロベースでの新たな発想や自由なアイディアを歓迎するようなカルチャーを作っていくことが重要です。
データが共有・活用されている
組織内にあるさまざまな情報やデータがタイムリーに共有されていれば、意思決定に必要な情報が常に利用可能になります。これにより、迅速で効果的な意思決定をすることができます。また、データに基づいた意思決定は、客観的で信頼性が高く、組織の意思決定の質を向上させます。
事前に複数のシナリオを準備している
ビジネス環境は予測が難しく、異なる状況への柔軟な対応が求められます。事前に複数のシナリオを準備しておくことで、将来の不確実性に対応できます。また、潜在的なリスクを特定し、そのリスクに対する対策を検討しておくことで、現れた課題や変化に対して素早くかつ効果的に意思決定できます。
ビジネスアジリティの向上のために必要なこと
ビジネスアジリティを高めるために必要なこととしては、以下の4つが挙げられます。
現場の裁量を大きくする
組織のビジネスアジリティを確保するためには、個人レベルでのアジリティが高いことが大前提です。
個人レベルのアジリティを高めるためには、現場に裁量を持たせることが効果的です。これにより、各々が能動的に考え動くようになり、結果的に意思決定や業務のスピードが向上します。
状況に応じて適切な対応を社員1人ひとりがとれるようになるためには、自らの担当する業務レベルに関するミクロの視点だけでなく、マクロな経営視点を持てるようにすることも大切です。場合によっては、従来の役割にとらわれず何が組織全体にとって最適かを常に意識するように、社員のマインドセットを醸成することが必要となります。
教育環境の整備
アジリティ向上のためには、問題解決を図れるだけのスキルを持つ必要もあります。そうしたスキルは一朝一夕で身に付くものではないため、業務を通じた経験の蓄積に加えスキルアップを目指しやすい環境を整えることが重要です。組織としてどのようなスキルが求められるのかオープンにして、共有することも効果的です。
既存の業務プロセスの見直し
「これまで当たり前に行ってきた業務プロセスが実は非効率だった」ということはどの組織でもよくあります。かつてはそのプロセスが最適だったとしても、時代の変化や技術進歩によってより良いプロセスが見つかることも多いため、時代にそぐわないムダな業務プロセスが生じていないか常に意識し、必要に応じて見直すことが必要です。
ITツールを活用する
組織のアジリティを高めるには、ITツールの活用が必要不可欠です。ITツールを活用することで、情報の一元化を実現でき、リアルタイムで共有することが可能となります。これによりコミュニケーションにかかる時間が大幅に短縮されるだけでなく、課題・リスクへの対応やデータ分析・活用を迅速に行えるようになります。
また、最新のITツールを導入することで、それまで手作業で行っていた業務プロセスを大幅に簡略化することも可能となります。そうすることで、変化に対応した意思決定や行動を素早くとれるようになることもメリットです。
ビジネスアジリティを向上させるために有効な手段とは
ビジネスアジリティを向上させるためには、共通プラットフォームの導入が有効です。
業務・部門ごとに異なったシステムを導入すると、使う技術(アーキテクチャ)がバラバラになってしまい、結果的にベンダー依存や担当者への属人化が発生し、ビジネスアジリティが低下します。
このような状況を防ぐための手段として、技術の進化に追従できるプラットフォームを導入し、すべての業務・部門で使われるシステムを一気通貫で管理することが必要です。
ラキールでは、ビジネスアジリティの向上に寄与する共通プラットフォーム 『LaKeel DX』 を提供しています。LaKeel DX は、マイクロサービス技術を用いたアプリケーション開発・運用プラットフォームです。マイクロサービスの採用によりソフトウェアを機能ごとに独立した部品に分割し、それらを組み合わせてアプリケーションを開発することで、機能の変更や拡張が容易になり、ビジネスアジリティの向上に寄与します。
また、統一のプラットフォームで開発することで、システムごとに技術が異なり対応できる人材が限られる状態(属人化)を防ぐことができます。
また、アジリティの向上のためには、組織内のデータ共有がリアルタイムでなされていることが重要です。統合データ基盤 『LaKeel Data Insight』 は組織内に点在する大量のデータを継続的に収集・集約し、部門や業務を横断した統合的な管理を実現します。
LaKeel DX と LaKeel Data Insight を組み合わせることで、LaKeel DX 上の各アプリケーションのデータを一元管理することも可能です。収集したデータを分析して、ビジネスに有益に活かすことも可能です。
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下記の資料では、ビジネスアジリティ向上のために不可欠なIT部門の変革の方法について解説していますので、ぜひご覧ください。
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