データ分析・データ移行に必要なデータクレンジングは効率化が課題?解決策をご紹介
データクレンジングとは、データ分析やデータ移行に不可欠な作業です。実際に行う場合、高度な知識や技術が必要な場合もあり、変換の際に膨大な待ち時間がかかるケースがあります。本記事では、データクレンジングが必要となる業務シーンや実施のステップ、課題、そしてデータクレンジングを効率化するソリューションについてご紹介します。
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データ分析やデータ移行に伴うデータクレンジングの必要性
データクレンジングとは、データの重複、欠損、粒度の違い、表記ゆれ、ノイズ(目的と無関係なデータ)といったデータに関する不備を適切な形に修正することです。
企業では、データの品質確保・向上のために、データクレンジングを多様な場面で実施しています。
以下では、データクレンジングが必要となる具体的な業務シーンをご紹介します。
データクレンジングが必要となる業務シーン
データクレンジングが必要となる主なシーンは以下の通りです。
・システムの統合やマイグレーションに伴うデータ移行時
・データ集計、データ分析など、データの2次利用時
・データ管理方法の変更時
・コード体系の変更時
特に、データ分析・データ移行の際にはデータクレンジングの作業が必要になることが想定されます。主に「ゴミデータの除去」や「整合性の確保」が行われます。
データ分析の際にデータクレンジングが必須となる理由として、分析精度の向上や業務効率化があります。例えば、データクレンジングを行わずに顧客分析をすると、古いデータや重複データが存在した場合に、顧客の現状を正しく把握できないケースや、分析結果が正しく出力されないといった問題が発生するリスクが高まります。
また、データ移行の際にも、システムの変更やデータの統合などが必要であるため、データクレンジングを行わないと、データが正しく移行できず、移行後のシステムがうまく稼働しないリスクが生じます。
これらの過程で、自社の保有するデータに関する知識がないと、ゴミデータの判断や整合性の確保が難しくなってしまいます。また、データクレンジングを行う際に今後データをどのように活用したいかも考えておくことが重要です。これらのようなデータの取捨選択をするためには、統計解析や分析手法に関する専門的な知識・技術を習得するだけなく、自社のマーケティング活動や製品開発などのビジネスにおける各領域の全体図を理解しておく必要があります。
データ移行の方法や進め方、課題については、以下の記事で紹介しております。あわせてご覧ください。
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データクレンジングはデータ分析・データ移行に欠かせないステップ
データ分析・データ移行は、段階を踏んで実施する必要があり、データクレンジングはその段階の1つです。
データ分析は以下5つのステップに分かれており、データクレンジングは「ステップ4:データの収集」から「ステップ5:データの分析」の間で実施します。
・データ分析のステップ
ステップ1:目的を明確化
ステップ2:仮説の洗い出し
ステップ3:分析方法の整理
ステップ4:データの収集
ステップ5:データの分析
データクレンジングによって収集したデータの「ゴミデータの除去」と「整合性の確保」を実施し、マーケティング活動や営業活動などに利用できる、「生きたデータ」に変換します。
データ収集・データ分析の際に必要となる「データ分析基盤」の構築方法については以下の記事で解説しています。
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データ移行は以下3つのステップにて行われており、データクレンジングは「ステップ1:現行システムからデータを抽出する」と「ステップ2:新システムに合わせてデータを変換する」の間で実施され、非常に重要な作業となります。
・データ移行のステップ
ステップ1:現行システムからデータを抽出する
ステップ2:新システムに合わせてデータを変換する
ステップ3:新システムにデータを取り込む
データクレンジングが十分にできていないと、移行先に間違ったデータや必要のないデータを移行してしまい、データを活用するタイミングで不具合が生じやすくなります。
このように、データクレンジングはデータ分析・データ移行に欠かせないステップですが、実際に行う際には次章でご紹介するような課題があります。
データクレンジングにおける2つの課題
データクレンジングの概念自体は難しくないものの、実際に行うことは簡単ではありません。実際に行う場合、以下2つの課題があります。
課題1:変換ルールと処理内容の作成に高度な知識と技術が必要
1つ目がデータクレンジングに求められる高度な知識と技術です。これは企業内の課題として頻繁に挙げられます。
例えば、データクレンジングを行う場合、欠損データや不揃いのデータをどのようなデータ形式や値で埋めるか、または破棄するかに関する判断を下さなければなりません。さらに、データ変換のルールと処理内容の作成に際してプログラミングを行うケースがあり、専門的な知識や技術が必要です。
課題2:データ量が多い場合、処理時間が膨大になる
2つ目は、データ量に比例して長くなる待ち時間です。
企業では扱うデータ量が多く、1回のデータ変換に時間がかかってしまいます。また、分析が目的の場合には数パターンのデータ変換を試すことが必要になるため、データ変換中の非常に長い処理時間が発生します。
また、データクレンジングはプログラミングで実施するケースが多くなり、現場ではちょっとしたミスによるやり直しが多く、かつミスが発覚するのが数時間後になることも珍しくありません。
これにより、社員の待機時間が増え、余計な工数の発生や外注費用の高騰につながります。
このように高度なプログラミング知識・技術と膨大な時間が必要となるデータクレンジングでは、属人性の解消と作業の効率化が求められます。
そこで次章では、ラキールが提供するデータクレンジングを効率化するソリューション「LaKeel Data Insight」をご紹介します。
誰でも効率的にデータクレンジングを実行できるLaKeel Data Insight
LaKeel Data Insight はDXの推進を支える統合データ基盤です。データ加工を簡単に行え、わかりやすいデータ操作と用意されたメニューにより多彩な分析が可能となり、データクレンジングを効率的に行うことが可能です。以下ではLaKeel Data Insightの具体的な機能をご紹介します。
マウス操作で誰でも簡単に処理内容の設定が可能
データ変換のルールと処理内容の作成を画面からマウス操作で簡単に行えるため、プログラミングやSQLを習得していなくても問題なく実施可能です。また、処理結果の一部をプレビュー機能によりその場で確認できるので、単純な設定ミスでやり直しになることも防げます。
以下では、処理内容の設定でできることの一部を、具体的な操作画面とともに見ていきます。
・書式統一
下記の画面の通り、文字列変換では「大文字・小文字」「半角・全角」「ひらがな・カタカナ」、日付変換では和暦か西暦の各表記による統一が可能です。数値の指定についても、小数点以下の桁数、カンマ区切りの有無、マイナス値の表示方法、単位の変更の統一が可能です。
・値の分割、結合、部分切り取りなど
文字列の部分切り取りや、余白の削除など、設定したルールによってデータの値を置換できるほか、 表記揺れの統一も可能です。
・条件設計
カラム内の値に条件をつけ、それぞれの条件ごとに結果の値を設定する「条件設定」の機能もあります。
例えば、カラムの値にテストの点数が入っているときに、80以上ならば「優」、60以上ならば「良」、それ以外は「不合格」という条件設定を行うことで、目的に応じて結果をわかりやすい表現に変更可能です。
これにより、欠損値補完や複数条件での別の値や別のカラムのデータへの置き換え、変換など、条件ごとに別の値をセットできます。
下記の画像は条件設定の一例ですが、都道府県名が愛媛県、高知県、香川県、徳島県のいずれかの場合に値が「四国地方」となるよう設定されています。
複数の変換処理の同時進行で待ち時間のストレスを軽減
LaKeel Data Insightでは複数の変換処理を並行して実行できるので、数パターンの実行を先にすべて依頼し、完了したものから確認するなど、効率的な処理が可能です。従来かかっていた膨大な待ち時間を削減でき、データクレンジングに関するストレスを解消できます。
以下では、具体的な操作画面とともに製品イメージをご紹介します。
・画面で完了がどうかわかる:タスク操作
データに対する操作(取り込み、作成・更新、エクスポート)について、画面上から指示された操作をバックグラウンドタスクとして実行します。 これにより、複数の操作を同時に実行でき、それらの状況や結果を確認できます。
タスク一覧画面では、実行した(または実行中の)タスクの状況を確認できます。いくつかのタスクについては、再実行やエクスポートしたデータをこの画面からもダウンロードできます。
・完了したら通知を飛ばすことが可能:エクスポートしたデータのダウンロード
エクスポート処理が完了すると、そのデータをCSVファイルとしてPCにダウンロード可能となります。
エクスポート完了の通知は、右上のアイコンに表示されます。新着の数字が出ている場合は通知アイコンをクリックして、その中から「エクスポート完了」の項目にある「ダウンロード」リンクをクリックします。クリックするとダウンロードが開始されます。
本記事では、データクレンジングを効率化するLaKeel Data Insightの機能をご紹介いたしました。導入や資料請求に関しては、下記よりお問い合わせください。
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